レアストーンズ
世界の宝石のお話
USA(アメリカ合衆国)
★USAの宝石★
USA(アメリカ合衆国)といえば行かれたことが無い方はおられても知らない方はまずおられないと思われる程地理的には遠くても色んな意味で近い国です。
建国の歴史は浅いのですが日本の25倍強もある広大な国土を持ち多くの産業分野で世界をリードする世界最強最大の国であることは間違い無いでしょう。
そしてこのことは宝石や鉱物等の分野においても当てはまる様です。
なにしろ世界各地で産出した宝石や鉱物等の多くが一度USAに集められ、そこから又それぞれの需要国に散らばって行くという図式があるくらいです。
毎年2月にアリゾナ州のツーソンで開催される世界最大の宝石・鉱物・化石のフェアー「ツーソンショー」や秋にコロラド州で開催される「デンバーショー」等はその典型的な例ですが、それ以外に毎月必ずどこかの州で大小様々な石のフェアーが有る様です。
さらにジュエリーショーとなると遥かに数多く開催されていることは言うまでもありません。
勿論フェアーやショーだけでなく通常の商取引もニューヨーク等の大都市を中心に毎日活発に行われています。
USAは宝石鉱物関係を所蔵した博物館もかなり充実しています。

特に有名なスミソニアン研究所に所属する国立自然史博物館には2千種以上にも及ぶ標本があり、ブルーのホープ・ダイヤモンドをはじめ世界一と称される多くの宝石鉱物等が展示されています。
又、USAは石の需要国としても物凄い国でブッラクオパールと翡翠以外の宝石や結晶鉱物の需要は世界でもトップクラスでしょう。
総人口は日本の約2倍ですが石のコレクター人口は恐らく日本の数十倍は有るだろうと思われます。
非常に高価な数千万円から億単位の宝石等を個人の収集家が購入することも珍しくない様です。
そしてUSAは世界屈指の石の産地国でもあるのです。
日本では一部のものを除き殆どUSA産の石は有名ではありませんし、あまり輸入もされていない様ですが、ブラックオパール、アレキサンドライト、翡翠を除く殆どの一般宝石が採れるのです。
しかも量の多い少ないはともかく結構品質の良い石を産出します。
又、レアストーンも多種産出します。
USA産の一般宝石で興味深いものに
ダイヤモンドがあります。
ダイヤの産地といえば普通南アフリカやオーストラリア、ロシアが思い浮かぶのですが、USAでも企業的採鉱とまでは行きませんがミシガン州やアーカンソー州等のいくつかの州で産出しています。
過去にはアンクル・サムと命名された40カラット以上も有る原石が採れた事も有るのです。

ただ一般的にそれほど高品質なものは採れないようです。
ガーネットグループではアリゾナ州で産出する真っ赤で非常に高品質な
パイロープ(苦礬柘榴石 Mg2Al3(SiO4)3 硬度7.25)が有名です。
パイロープはそんなに稀少ということはないのですが、日本では同じ赤色系でかなり安価なアルマンダイト(鉄礬柘榴石)や色の明るいロードライトに人気が有るためにあまり輸入されていません。
その他にUSAでは黄褐色の
スペサルチン(満礬柘榴石)や褐色と緑色のグロッシュラー(灰礬柘榴石)のカットクォリティーのガーネットが採れます。
コランダムはノースカロライナ州でルビーが、モンタナ州でブルーとイエローのサファイアが採れます。なかでもモンタナ産のブルーサファイアにはミャンマー産に匹敵するくらいの高品質なものが有ります。
又、一般的にこの産地のブルーサファイアは金属光沢の様な明るい灰青色をした独特の色調でスチ-ルブルーサファイア等と呼ばれ有名です。
非常に魅力的なサファイヤなのですが、どういう訳か日本には僅かしか入って来ていないので残念です。

この他にもUSAではアリゾナ州でペリドットファイヤーアゲート、カリフォルニア州でクリソプレース、ネバダ州やいくつかの州でトルコ石、さらにサンストーンアマゾナイトスピネルトルマリンロードクロサイトロードナイト等々が産出します。
USAは一般宝石の産地国としても、又、需要国としても世界屈指の国であることは間違い無いのですが、レアストーンの産出も多種有り恐らくその需要も世界一だと思われます。
USA産レアストーンには殆どここでしか採れないコレクター垂涎のしかも有名で他には無い独特の魅力を持った宝石が二種類有ります。

一つは美しいブルーのベニトアイト(ベニト石 BaTiSi3O9 硬度6.5)でカリフォルニア州のサンベニトという所で採れる石です。
発見されたのは1906年でその時はサファイアだと思われたそうです。
しかし見た目は似ているのですが成分や特性が異なる鉱物で、一般的にサファイアよりも透明感に優れ清々しさを感じさせる明るいブルーの石です。

大きな結晶になりにくく、さらにカットに値するような高品質の原石となると非常に稀です。1カラット以上のカット石はまず入手することができません。
なにしろ世界で一番大きいものでも7.8カラットといわれており、サファイアの世界最大のカット石が1千318カラットですからいかに大きなものが採れないかお解かり頂けると思います。
このような理由から非常に高価なレアジェムとなります。

もう一つはユタ州のワーワーという所で採れる赤色のレッドベリル(ビクスバイト 緑柱石 Be3Al2Si618 硬度8)です。
この石はエメラルドやアクアマリンと同じベリルで、マンガンに因りレディッシュピンクから濃赤色になったものです。
エメラルドのグリーンを赤に置き換えたような質感で、同じ赤色のルビーやスピネル、ガーネット等とは又違った雰囲気の魅力的で美しい宝石です。
レッドエメラルドと呼ぶと解り易いのですがエメラルドはクロム着色に因りグリーンになったベリルですから少し無理が有ります。
レッドベリルも稀産で大きな結晶になりにく、透明感の良いものや程良い赤色(色が濃すぎると暗くなります)をしている原石が少ないので良質のカット石はかなり稀少です。
その為やはり非常に高価な宝石で、品質と大きさが同等なエメラルドのほぼ5倍の価格になります。

コレクター垂涎の石と言えばさらにもう一つ、フォスフォフィライト(燐葉石 硬度3~3.5)がニューハンプシャー州で採れます。
高品質なカット用原石は主にボリビア産なのですが、そこそこのものが稀に出る様です。
透明の無色から淡いブルーイッシュグリーンでグリーンアポフィライトに良く似た綺麗な石なのですが、硬度が低いだけでなく劈開性も強いですから傷つき易く割れ易いという欠点が有ります。
そのため加工が難しくなかなかカットされない様です。
結構高価な宝石ですがどういう訳かどこの産地のものも日本には滅多に入って来ません。

その他のUSA産で有名なレアストーンにデュモルチェライトという石が有ります。
濃いブルーから紫色をしており普通は塊状で産出します。硬度が8~8.5(塊状石は7)と高く半透明でカボションカットにすると高品質のラピスラズリより美しいと感じられるくらいの宝石になります。
単体のものは稀産なのですが、石英の内部にこの鉱物が成長し塊状でブルーの石になったものを
デュモルチェライト・クォーツと呼び結構大量に採れます。
価格は安価で主に彫刻の材料や玉に加工されています。玉は日本でも石を扱っているお店で良く目にすることがあります。
ネバダ州ではデュモルチェライト・クォーツのピンク色の石が産出する様です。
さらに他の国でも採れるレアストーンの定番ともいうべき宝石がUSAの各州で色々産出します。
フェナカイトがコロラド州等で、アキシナイトがニュージャージー州で、エンスタータイトハイパースシーンがカリフォルニア州やアリゾナ州で、シリマナイトがアイダホ州という様にどこの州でも何かが採れるという感じなのです。
しかし、USAに居られる石のコレクターや業者さんが羨ましいですね。

     
オンラインショップ USA産の石