レアストーンズ
世界の宝石のお話
タンザニア
★タンザニアの宝石★
アフリカ大陸の東側に位置し、面積が約94万5千K㎡(日本の2.5倍)もあるのにアフリカ諸国の中ではそれほど大きくない国がタンザニアです。
国の北東部にはアフリカ最高峰のキリマンジェロ(5千895m)がそびえ立っていることで有名です。
主要産業はコーヒー等の農業牧畜業であまり目立たない国ですが、人類の進化がここから始まり世界に広がっていったと考えられているくらいですからなんと200万年以上も前からこの地に人が存在していたことになります。

タンザニアといえばタンザナイトが思い浮かんでくるほどこの宝石が採れる国として有名です。
しかしタンザナイトという呼び方はニューヨークのティファニー社が産出国に因んで付けた商品名で、正式には
ブルーゾイサイトであることは石好きの方なら良くご存知だと思います。
おそらくティファニーはこの宝石を独占し大量に販売しようとして鉱物名のゾイサイトではあまりに味気ないのでこの名前にしたのでしょう。
理由はともかく現在ではタンザナイトという名称の方が一般的になっていますし石自体も宝石として認知されているのですから、もうそろそろタンザナイトを正式な宝石名にしても良いのではないでしょうか。
但しこの石は50年くらい前から採掘されるようになって暫くは大粒でしかもそのままカットできるほど美しいブルーの原石が多く採れていたのですが、最近では量も少なくなり色が薄いうえに黄色味や褐色味を帯びている原石が多い為にヒートエンハンスメント(熱処理)により色を良くしているものが殆どの様です。

それでもタンザナイトはタンザニアで採れる宝石の代表格であることは間違いありません。
さらにタンザニアはその他の一般宝石や稀少石、変種、新種というように多種多様な石を産出する国でもあります。

この国で採れる一般宝石にはダイヤモンドルビーサファイアエメラルドアレキサンドライトキャッツアイ等があります。
ダイヤモンドはヴィクトリア湖の南岸近くで20世紀初頭に発見され10数年後に採掘が開始されましたが当初からそれほど産出量は多くなく、最近は殆ど枯渇しかかっているという話です。

この付近にはダイヤモンドを含むキンバーライト層がたくさん有るのですが採掘して採算に合う鉱脈は無い様です。
しかし、60年前にはここで54カラットもある大粒のピンクダイヤの原石が採れたことも有ります。
この石は23.6カラットのブリリアントカットにカットされてイギリスのエリザベス女王(当時は王女)が結婚される時に贈呈されました。
ケニアとの国境付近でコランダムのルビーやサファイアが採れます。
この産地のルビーやサファイアは色が淡く、又、サファイアはブルーだけでなくピンクやイエローといったファンシーカラーの石も多く採れますので非常にスリランカに似ています。
さらに色調だけでなく石の内部の特徴までもがスリランカ産とそっくりなのです。
カットされてしまうとどちらで採れた石か産地の鑑別をしない限り肉眼では専門家でも判断できません。

タンザニアのマニャラ湖の西岸ではエメラルドを産出します。ここで採れるエメラルドは小粒の原石が殆どなのですが、色や透明感、テリ共にかなり良くコロンビアのムゾー産や良質なジンバブエのサンダワナ産に匹敵するといわれています。
又、同じこの鉱山でクリソベリルやその変種のアレキサンドライトとキャッツアイも産出します。
アレキサンドライトは少量しか産出しないのですがかなり良質なものも採れ、最近では手に入らなくなった上品で最高品質のロシア産に似ているのです。
その他タンザニアではイエロー系の
トルマリンやクロムに因り非常に濃くて美しいグリーンに発色したクロムトルマリンが採れます。
又、ガーネットグループのパイロープツァボライトという商品名で有名な明るくて濃いグリーンのグロッシュラーライトも採れます。
さらに良質の
アイオライトやナチュラルのカラーレスジルコン(風信子石)等といった一般宝石を産出します。
それではタンザニアではどの様なレアストーンが採れるのでしょうか。
タンザニア産の代表的な一般宝石はタンザナイトでこれは透明なブ ルーのゾイサイト(灰簾石又は黝簾石 硬度6~7)の商品名です。
透明なゾイサイトには稀にグリーンのものが有り、やはりタンザニアで採れます。
この
グリーンゾイサイトの透明感はそれほど良くなく、あまり美しくないのですがそれでも稀少で小さな結晶しかありませんからタンザナイトよりは高価です。
しかし極端に稀ですがクロムに因る発色で非常に明るくて濃いグリーンになりしかも透明感が良く美しいグリーンゾイサイトが採れることも有ります。価格も同じ大きさの最高品質のタンザナイトの5倍から10倍になります。
又、タンザナイトの中にはブルーとバイオレットや青味がかったグリーンのバイカラーになったものも有り珍品扱いされています。
タンザニアではガーネットグループのレアストーンが産出します。

一つは 完全無色のリューコ・ガーネット(純粋な透明グロッシュラーライト)で、もう一つはウンバライト(ロードライトとスペッサータイトの中間タイプ)というガーネットです。
リューコはダイヤモンドの様な輝きと質感を持つ非常に美しいガーネットで、昔からコレクターの間では有名で誰もが手に入れたがる宝石の一つです。

ウンバライトはロードライトとは少し違った雰囲気を持つ透明ローズ色の魅力的な宝石です。この二つのガーネットは共にかなり稀少ですから比較的高価で日本には殆ど入って来ていません。
タンザニアでも
コーネルピン(コルネルブ石 硬度6~7)が採れます。
この石はスリランカ産が有名ですが少し陰りのある緑色から暗緑色、緑褐色と鮮やかさに欠けるものが多く地味な宝石というイメージが有ります。
しかし、タンザニア産は稀産で小粒のものしかないのですがグリーン味を帯びた明るいブルーの石で同じ宝石とは思えないほど綺麗です。

又、タンザニアで採れるクロムトルマリンの中から稀にカラーチェンジトルマリンが見つかることが有ります。
但し、トルマリンのカラーチェンジはアレキサンドライトやガーネットの様な劇的な色の変化はありません。
自然光では濃いグリーンですが電燈光でグリーン味の残ったブラウンになり所々から鋭い赤色の光が出るという感じです。

その他のタンザニア産レアストーンとしてはユークレースや透明感が良くて美しいバイオレットのスキャポライト等が有ります。

     
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