レアストーンズ
世界の宝石のお話
イタリア
★イタリアの宝石★
地中海のほぼ中央に長靴の様な形で突き出た半島とサルデーニャ島、 シチリア島の二つの大きな島な島からなり、面積が約30万1千K㎡(日 本の約0.8倍)の国がイタリアです。
紀元前7世紀頃から5世紀ま で地中海世界を制覇したローマ帝国があったことや15~6世紀のルネッサンス文化の開花等は非常に有名です。
商工業が発展している国ですが他の先進諸国から見ると多少立ち遅れているようです。
しかし、芸術に関しては昔から世界屈指の優れた国です。
工業製品やファッションの分野でもデザインや色使いのセンスの良さはいくら日本が頑張ってもなかなか追いつけないものがあります。
ジュエリーも伝統工芸として古くから受け継がれてきており世界的にも評価の高いイタリアン・ジュエリーとしてミラノから世界に発せられています。
イタリアン・ジュエリーが世界的に高い地位にあるといってもイタリアで宝石がたくさん採れているかとなりますと案外そうではありません。
特に一般宝石と呼ばれるものは殆ど産出しません。
強いて挙げるならバルマレンコという所で採れるガーネットグループの中の
アンドラダイトの変種のデマントイド(翠柘榴石)くらいでしょう。
この産地のデマントイドは白色のアスベストに包まれており結晶の形も良く、きらきらと輝き美しいですから鉱物標本としては魅力的でコレクターなら持っておられる方も多いでしょう。
しかし宝石用となると小粒の結晶が多く、又透明感の良いものが非常に少ない為に最高品質のロシア産にはかなり引けを取ってしまうようです。
デマントイドは稀少ですから一般宝石というよりはどちらかというとレアジェムになります。
その他ではこれも一般宝石と呼べるかどうか判りませんがネフライト(軟玉)やロードナイトが少量産出する程度です。
しかし、イタリアはレアストーンとなるとかなり多種のものが採れます。
まずデマントイドと同じアンドラダイトの変種で黄色味の強い
トパゾライトと呼ばれているガーネットがピーモントという所で採れます。
カットするとやはりデマントイドの様に強いディスパージョンが有り美しい宝石になるのですが色調がトパーズに似ていますのでこの宝石名になった様です(黄色のデマントイドだからイエローデマントイドと呼ぶべきだという意見も有ります)。
さらにアンドラダイトの変種で真っ黒で不透明な
メラナイトがエルバ島で採れます。
この石は昔は黒色のトルマリン(ショール)等と共に喪服用宝飾品(モーニング・ストーン)として利用されていた様ですが最近ではあまりカットされず収集家向けになっています。
又、エルバ島ではピンク色のベリルのモルガナイトも産出するということですがどの程度の品質のものなのか解りません。
ガーネットグループとしては他に
ウバロバイト(灰格柘榴石 Ca3Cr2(SiO4)3 硬度7.5)が採れます。
このガーネットはクロムに因り非常に濃くて美しいグリーンをしています。
もしカット石があるとグリーンのグロッシュラーライト(ツァボライト)よりもはるかに魅力的な宝石になると思われるのですが、残念ながら透明な結晶は1㎜前後で極端に小さくカットは殆ど不可能なのです。
しかし稀に比較的大粒の透明結晶が採れそれがカットされたことも有るようですし、どうしてもこのガーネットを宝飾品に使いたい場合は母岩に苔状に群晶したものを剥れない様に加工し母岩付きでカットするという方法も有ります。
数あるレアストーンの中で唯一イタリアの地名が付けられているものに
アイドクレースがあります。
この石は最初イタリアのベスビオ火山で発見されましたので別名でベスビアナイトと呼ばれ和名でもべスブ石といいます。
レモンイエローからグリーン、パープル色をした石であまり大きな結晶にはなりませんが透明石をカットすると非常に魅力的な宝石になります。
但し、ベスビアナイトの現在の主な産地はカナダ、USA、ロシア等です。
その他イタリアで採れるレアストーンには、
シェーライト(灰重石)、フェナカイト(フェナス石)、ドロマイト(白雲石)、セレスタイン(天晴石)、セルサイト(白鉛鉱)、ダトーライト(ダトー石)、ダンビュライト(ダンブリ石)、ダイオプサイド(透輝石)、エピドート(緑簾石)等が有ります。