レアストーンズ
世界の宝石のお話
北欧
★北欧の宝石★
ヨーロッパ大陸の北部に突き出た大きな半島がスカンジナビア半島で、ここにあるフィンランド、ノルウェー、スウェーデンの三ヶ国とデンマーク、アイスランドの二ヶ国を加えた地方が北欧です。
北欧は読んで字のごとく北ヨーロッパを指しますが他のヨーロッパ地域と分けられるのには理由が有ります。
それは他のヨーロッパ諸国との地理的な隔絶による歴史や文化の違いです。
比較的暖かい西欧では早くから科学技術や文化が発展したのですが、その影響は良しにつけ悪しきにつけ北欧まで来るのにかなりの時間のずれがあったという事で違いができたのです。
その為北欧は工業化こそ遅れたのですが、自然や地下資源に恵まれ比較的裕福で社会福祉の行き届いた国が多いのです。
そして地理的な要因は宝石や鉱物に関しても同じ事が言えます。
西欧諸国ではこれといった物は殆ど採れないのですが、デンマークとアイスランド以外の北欧では多彩な宝石や鉱物を産出します。
但し、一般宝石はあまり採れません。
まず北欧産で有名なものに
ラブラドライト(曹灰長石 硬度6)があります。
この石はカナダやマダガスカルが主要産地ですがフィンランドやノルウェーでも採れます。
特にフィンランドのユレマという所で採れるラブラドライトは
スペクトロライトという別名で呼ばれています。
それはこの産地の石が黒く不透明で他の産地のものとは比較にならないほどの鋭いラブラドレッセンス(普通のラブラドライトは貝殻の内側の様な青色から緑、黄色の閃光を示しその効果のこと)が有り非常に美しいからです。
普通のラブラドライトはよくカボションにカットされかなり安価な宝石として出回っていますが、残念ながらスペクトロライトのカット石は殆ど目にすることがありません。
スペクトロライトは採れる量が普通のラブラドライトよりかなり少なく、原石の価格も5~6倍します。
この石はカボションよりプレートにカットしたほうがラブラドレッセンスがはっきりし、より魅力的な宝石になります。
又、フィンランドではクロムに因り濃いグリーンになった
ダイオプサイド(透輝石 硬度5.5~6.5)が採れます。
クロム・ダイオプサイドはロシア産が明るくて濃く非常に高品質ですがフィンランド産も勝るとも劣らない品質です。
その他フィンランドやスウェーデンでは無色で透明感の良い
ペタライト(葉長石 硬度6~6.5)が採れますが稀産です。
さらにフィンランドでは無色透明で殆どUSAでしか採れないと言われている非常に稀少な
ベリロナイトや美しいグリーンなのに結晶が小さすぎてカットが困難なウバロバイト(灰格柘榴石 硬度7.5)等も採れます。
ノルウェー産で有名なものにピンク色不透明塊状ゾイサイトの
チューライト(マンガン黝簾石 硬度6)があります。
ピンク色はマンガンに因りますが明るくて色斑のないものをカボションにカットすると美しい宝石になります。
ノルウェーでは
ハイパースシーン(紫蘇輝石 硬度5~6)という聞き慣れない石が採れます。
この石は褐色から緑黒色の半透明ないし不透明な鉱物で稀に透明石が出ます。
透明石はかなり稀少というだけであまり魅力的ではありません。
しかしゲーサイト(針鉄鉱)やヘマタイト(赤鉄鉱)がインクルージョンとして大量に入って不透明になったものをカットするとインクルージョンがきらきらと輝き綺麗な宝石になります。
しかし残念ながら市場に出回ることは殆どありません。
面白いことにノルウェーでは北欧としては珍しく、一般宝石の
エメラルドルビーも採れるようですがどの程度の品質のものか全く判りません。
又、
アイオライトサンストーンも産出します。
その他に薄いグリーンの
ダトーライト(ダトー石 硬度5~5.5)や紺色のデュモルチェライト(デュモルチール石 硬度8~8.5)等が採れます。
スウェーデンでは淡青色から濃青色の
ラズーライト(天藍石 硬度5~6)という美しい宝石が採れるのですがあまり馴染みがありません。
さらにガーネットグループの
スペサルタイト(スペッサータイト 満ばん柘榴石 硬度7~7.5)、アパタイト(燐灰石 硬度5)、スピネルロードナイト等も産出します。