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宝石雑学教室
トルマリンの不思議と魅力
★トルマリンの不思議と魅力★
一種類の石だけで赤、橙、黄、緑、青、紫、無色、黒というように全てのカラーバリエーションが揃う宝石には何が有るでしょう。
まず思い浮かぶのがダイヤモンド、ルビーやサファイアのコランダム、スピネル等でしょう。
そしてもう一つトルマリンが有ります。
一般宝石や稀少宝石としてカットされる天然石は200種類以上有りますが、それらの石の大部分が黄色系、緑色系、青色系、赤色系という具合に同系色のみで全色揃うものは僅かな種類しか無いのです。

      
    ルベライト原石         グリーントルマリン原石

という事でトルマリンはその内の一つなのですが、この石には色調の点でさらに他のものにはあまり見られない顕著な特徴が有ります。
それはトルマリンにはパーティカラード・ストーン(一つで二つ以上の違った色の部分が有りその色の境界が明瞭な石)が多くあることです。
パーティカラード・ストーンには2種類有り一つは色帯構造によるもので黄色や青色が縞目模様になったサファイヤや紫色のアメジストと茶色のシトリンが一つに成ったアメトリン等です。
もう一つは累帯構造(一つの鉱物がそれと組成の少し違った同種の鉱物に取り囲まれて結晶している構造)によるものでこれの典型がパーティカラード・トルマリンです。パーティカラード・トルマリンには結晶柱の上部と他の部分で色が違う場合と、結晶柱の中央部と外周部とで色が違う場合が有ります。
前者で2色に分かれるものが有名なバイカラー・トルマリンで、3色に分かれるものはトリカラー・トルマリンと呼ばれています。
後者の場合がこれも非常に有名なウオーターメロン・トルマリンとなるわけです。
これらパーティカラード・トルマリンの色の組み合わせはよく目にするグリーンとピンクのバイカラーを始めかなりの数のパターンが有り特にウオーターメロンは多彩です。
外周がグリーンで中央部がピンクのものが本来のウオーターメロン(西瓜)なのでしょうが、色が逆の場合も他の色の場合も有ります。
又、数色が外周から中心に向かって輪になって入ることも有ります。さらにウオーターメロン・トルマリンには中心から3方向に放射状の主に黒色の條線が入ることが有ります。
それが車のベンツのマークに似ていることからメルセデス・トルマリンと呼ばれ欧米等で珍重されています。
この様にトルマリンは色調の事だけを取り上げても他の石と比べるとかなり特異な存在で不思議な石といえるのです。
トルマリンが特異な存在といえるのは勿論色調だけではありません。まずその化学組成(成分)が他より圧倒的に複雑だということです。
トルマリンの化学組成は
(Na,Ca)(Li,Mg,Fe,Al)9B3Si6(O,OH)31 になります。
ダイヤモンドがC、ルビーやサファイヤのコランダムがAl
2O3ですから極端に複雑であることがよく解ります。
そしてそれぞれの成分元素の多い少ないで6つに分類されています。
(ガーネットも6種類有りますが、この石の場合はそれぞれがよく似た別の鉱物で結晶の形が同じ類質同像です)
一つはマグネシウム(Mg)が多く含まれるものでドラバイト(苦土電気石)です。
ブラウン系のトルマリンで宝石質のものはスリランカ等で採れますが、透明で色が美しく大粒のものは非常に稀少でレアストーンとして有名です。
次にカルシウム(Ca)とマグネシウム分に富みナトリウム(Na)をあまり含まないものがウバイト(灰電気石)です。
濃い緑色から褐色の石で大きな宝石質の結晶にはなりませんのでカットされることは殆ど有りません。
しかし鮮やかなグリーンの群晶は魅力的で鉱物標本としてコレクターが手に入れたがる石の一つです。
三つ目は鉄(Fe)分が多く含まれ黒色不透明のブラック・トルマリンとも呼ばれるショール(鉄電気石)です。
ショールは昔から黒色のアンドラダイト・ガーネット(メラナイト)と共に喪服に着用するモーニング・ストーンとしてカットされ利用されて来たのですが、最近又パワーストーンの分野で特に人気が出てきている石の一つです。
トルマリンの中では一番産出量が多く非常に大きな結晶が採れ大きさの割にかなり安価な石です。
さらにショールよりも鉄分を多く含み褐色になったものがビュールゲライトなのですがあまり有名ではありません。
五つ目はドラバイトに近いのですがリチウム(Li)を含みナトリウムが少なくカルシウムを多く含んでいるリジコタイトです。
ウオーターメロンやその内のメルセデス・トルマリンはこのトルマリンに分類されます。
そしてリチウムを含みナトリウムが多く含まれるものがエルバイト(リジコタイトと共にリチア電気石)です。
宝石としてよく目にする美いピンクや赤、グリーンやブルー等のトルマリンがこれにあたります。
又、この中には鉄ではなくクロム(Cr)に因り非常に濃くて明るいグリーンになったクロム・トルマリンが有ります。
さらに銅(Cu)とマンガン(Mn)、ビスマス(Bi)の含有に因り眩しいくらいに鮮やかで美しいネオンブルーやグリーンになった、かの有名なパライバ・トルマリンも有るのです。

        
  パライバ・トルマリン原石     パライバ・トルマリン ルース

そしてトルマリンが他の一般宝石と比べて特異で不思議な存在といえる最も大きな点がその性質です。
トルマリンの和名は電気石ですが、これは結晶の一部を熱すると静電気を帯びる現象(焦電気)や圧力をかけたときにも同じ現象(圧電気)が起こることから名付けられました。
この電気現象はヘミモルファイト(異極鉱)等にも見られるのですが一般宝石ではトルマリンだけでしかも非常に顕著に現れるのです。
このトルマリンの性質は19世紀から知られていたのですが最近になってもっと深く研究されるようになりさらに遠赤外線を発生する事やマイナスイオンを出す事等も発見された様です。
遠赤外線は色んな分野で利用でき、マイナスイオンは人体に良い効果を与えます。
又、トルマリンは人体に悪影響を及ぼす電磁波を吸収してくれる現象も起こるという説も有ります。
これらの現象の多くは科学的に実証されているらしく某大手家電メーカーがトルマリンのパウダーを添加した化学繊維で肌着を生産し販売しているくらいです。
この様にトルマリンは単に魅力的な宝石というだけでなくとても不思議な石なのです。

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