レアストーンズ
宝石雑学教室
オパールの世界
★オパールの世界★
10月の誕生石にもなっているオパールは数ある宝石の中でも非常に知名度が高く、特に日本では石に全く興味の無い人でも宝石名程度は知っているというくらい一般的な宝石です。
しかし一般的に知られているのはオーストラリア産のホワイト・オパールやブラック・オパールそしてメキシコ・オパール程度なのではないでしょうか。
石に多少なりとも興味がある方はオパールにはこれら3種以外にも色々有ることをご存知かもしれませんが、少し詳しくお話させて頂きます。
オパール(蛋白石 SiO2・nH2O 硬度5.5~6.5)は地球上のどこにでも有ると言って良いほど珍しくない鉱物の一つで、成分は構成している水(H2O)を除くとクォーツ(水晶 SiO2 硬度7)と全く同じ珪酸でできています。
しかし水晶と決定的に違うところが有り、それは結晶していない(非晶質)ということです。

オパールは珪酸の微球状粒子が立体配列してできた鉱物なのです。
そしてこのことが水晶には無いあの独特の美しいプレー・オブ・カラー(遊色効果 虹のように7色に輝く効果)が出る為に不可欠なのです。

宝石として利用できるオパール(プレシャス・オパール)の殆どがこの効果の出るものです。
プレシャス・オパールはどこにでも有るそれ以外のオパールとは比較にならないくらい産地も限定され、産出量も少ないのです。

それではこのオパール特有の遊色効果はどういうメカニズムで現れるのでしょうか。
オパールは非晶質珪酸の微球状粒子の集まりでできているのですが、粒子の配列が格子状になっていてこれに或る角度で入ってきた光が反射しスペクトル現象が起こって出てくるのです。
粒子が大きいと赤色で小さくなるほど青色から紫色が現れるという訳です。

しかしこのメカニズムが解明されたのは電子顕微鏡が手軽に利用できるようになってきた1964年(東京オリンピックが開催された年)以降のことでそれほど昔の話ではありません。
それ以前は遊色効果の原因はオパールの内部に微小なクラックが有りその隙間に水が入りそれに光が反射して現れるという説が一般的だったのです。

もっともオパールは水を含んでいます(一番水分の少ないオーストラリア産ブラック・オパールで6%程度)からそう思われたのも納得できます。
それではプレシャス・オパールにはどのようなものが有るのでしょうか。
オパール(宝石に利用できないオパールはここからは除き単にオパールとします)を専門的に分類すると成分は殆ど同じなのですがかなり細かく分けることができます。

特にオパールを国の石に指定しているオーストラリアでは産地、生地の色や透明度、さらには斑(遊色)のパターンに至るまで非常に細かく分けられている様です。
オパール(宝石として利用できるプレシャス・オパール)はマウンテン・オパールとサンドストーン・オパールとに大きく二つのタイプに産状で分類することができます。
マウンテン・オパールは山地等で火成岩(地下奥深くでできたマグマが地表に噴出し冷えて固まった岩石)を母岩としてその中にできているもので、メキシコ・オパールがこのタイプになります。

もう一つのサンドストーン・オパールは砂漠等の地表下の堆積層中で珪酸が堆積してできているオパールで、主にオーストラリア産オパールがこのタイプになります。
この二つのタイプのオパールは形成の条件の違いから全く質感が異なり一見してどちらのタイプなのかが判ります。

メキシコ・オパールの上質なものは透明感の良い無色から明るいオレンジ色や赤色の地に生き生きとした幻想的で美しい七色の遊色効果の有る非常に魅力的な宝石で主にハリスコ州のマグダレーナという所で採れます。
一昔前までの日本ではオパールといえばこのメキシコ・オパールを指すくらい一般的な宝石だったのですが最近はオーストラリア産のブラック・オパールに押され気味なのか特に高品質なものがあまり出回らなくなってしまった感が有ります。
メキシコ・オパールはオレンジ色系の地色のものが多いのですが殆ど無色透明のものも有り、まるで水の中に斑(遊色)が出ている様に見えますのでこれをウオーター・オパールと呼びます。

地色が無色ですと七色の斑が他の色に邪魔されませんので際立って美しく見え特に魅力的になるわけです。
又、逆に透明感が良く鮮やかなオレンジ色から赤色の地で全く斑の出ないものも有ります。

普通斑の出ないオパールはコモン・オパールと言いプレシャス・オパールには入れないのですが、メキシコ産の美しいものはファイア・オパールと呼ばれ宝石として扱われています。
(少し紛らわしいのですがオパールの斑をファイアと表現することが有り又、斑が出る出ないにかかわらずオレンジ系のメキシコ・オパール全てをファイア・オパールと呼ぶことも有ります)

この様に斑が出ないにもかかわらず地色が美しい為にプレシャスオパールに入れられるものには他にペルー産のグリーン・オパールやブルー・オパール、ピンク・オパール、非常に稀ですがオーストラリア産のブルー・オパール等も有ります。
殆どがサンドストーン・オパールであるオーストラリア産オパールには地色(ポッチ・カラー ボディー・カラーのこと)の違いから大きく分けてホワイト・オパールとブラック・オパール、さらに母岩が付いたままのボルダー・オパールが有ることは良くご存知だと思います。
しかし、さすがにオパールを国の石に指定しているオーストラリアでは非常に細かく分類されているのです。

まず産地別の分け方としてニューサウスウェールズ州ライトニングリッジ産はライトニングリッジ・オパール、サウスオーストラリア州クーバーペディ産はクーバーペディ・オパールという具合です。
ですから他にホワイトクリフス・オパール、アンダムーカ・オパール、ミンダビ・オパール、ボルダー・オパールのクイーンズランド・オパール等が有ることになります。

次に従来の地色だけによる分類ではなく、それに透明度や中間の地色、斑の状態までも取り入れてさらに細かく分類したものです。
地が無色透明のものはジェリー・オパール(メキシコ産のウオーター・オパールに相当)、ジェリー・オパールより斑の色数が多く強いものはクリスタル・オパール、地が黒色に見え透明感が有るものはクリスタル・ブラック・オパール、白色で不透明に近いものはホワイト・オパール、灰色で不透明に近いものはグレー・オパール、濃い灰色で不透明なものはセミ・ブラック・オパール、黒色で不透明なものはブラック・オパール等となります。
又、これは分類にはなりませんがオパールの斑のパターンにも名前が付けられています。例えばホワイト・オパールによくある非常に細かい点の様な斑はピンファイアー、ブラック・オパールの最高峰とされている七色の斑が市松模様に出るのはハーレクイーンと呼ばれます。
他にリボン・パターン、フラワー、風車、キャッツアイ(リボンの一種)等々が有ります。

オパールをこれほど細かく分類することは無意味に思われるかも知れませんが地色や斑の違いで価値、価格に非常に大きな差が有るからなのです。
オパールにはこれら代表的なメキシコ・オパールやオーストラリア・オパールの他に変り種ともいえるものが有ります。
一つはUSAのネバダ州等で採れる木が化石化してオパールになったものでオパライズド・ウッド(木蛋白石)です。
かなり綺麗な斑の出るものも有るのですが、残念ながら乾燥に弱く常に水中入れておかないとひび割れが生じてしまい宝石には向きません。

もう一つはオーストラリアのライトニングリッジやクーバーペディ等で採れる貝が化石化してオパールになったものでオパライズド・シェル(シェル・オパール)です。
こちらもかなり綺麗な斑の出るものが有り又、多くの種類の貝が有りますので特にコレクターが手に入れたがるオパールです。

その他まだまだ変り種が有るのですがキリが有りません。
又、変り種という事ではありませんが、最近エチオピアで産出したオパールがエチオピアン・オパールの名称で大量に流通しています。
質感がメキシコ・オパールとオーストラリア・オパールの中間の様で、非常に鮮やかな斑が出るものが有ります。
美しさの割に比較的安価で手に入れ易いのですが、若干乾燥に弱いと言われています。
この様にオパールは意外に幅広くそして奥深い宝石で独特の魅力と世界を持っているのです。

     
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