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★中国の宝石★
中華人民共和国(中国)は面積約959万7千Ku(日本の26倍)の広大な国土を持ち、しかも人口が10億人以上で21世紀 にはアメリカ合衆国に次ぐ超大国になるだろうと予測されている国です。又、この莫大な人口による消費には世界の数多くの国が色んな分野で輸出の相手国として魅力を感じている様です。

勿論、石に関しても広大な土地に豊富な鉱物資源が埋蔵されており、 さらに今後色々な鉱物の新しい鉱山が発見される可能性が高いですから非常に魅力の有る国なのです。

 中国は百数十万年前からすでに人類が生活していたというきわめ て古い歴史が有り、国家としても3千6百年以上の歴史が有ること はご存知な方も多いと思います。石も古くから親しまれており、美しいものは玉(ぎょく 中国語ではユーになります)と呼び大切にされ独特の「石の文化」が創造されたのです。

玉は主にジェダイト(翡翠輝石 中国では採れません)とネフライト(軟玉)のジェードを指すのですが、中国ではその他のメノウやサーペンチン(蛇紋石)等の半透明石も指し、広くは宝石全般を意味します。

玉は採れた場所の地名を前に付け「何々玉」と呼ばれ非常にたくさんの種類が有り、よほど精通していないと見ただけでは何の石か判りません。一般宝石以外の石は主に彫刻の材料や印材、飾り玉等に利用されます。

 中国で最も注目されている宝石はダイヤモンドでしょう。中国では60年以上も前から山東省でダイヤモンドが産出しており、1937年には281.25カラットもある大きな原石が採れたという記録が有ります。その後も100カラット以上ある大粒の原石がいくつか出ている様です。又、中国では山東省以外でも70年代から現在までに遼寧省や湖南省等で多数のパイプ鉱床(岩石中にダイヤモンドの原石が含まれている典型的な場所)が発見され、採掘も行われてきています。ダイヤモンドは他の色石とは違いどこで採れたものでも同じグレードであれば同じ価値のものですから産地でプレミアムが付くような宝石ではありません。今後中国の産出量が増えてきますと宝石店に並んでいるダイヤモンドのかなりの部分を中国産が占めてくるのではないでしょうか。

 山東省ではブルーサファイヤも採れます。主に晶楽(チャンロ)という所で商業採掘されていますので産出量はかなり有るものと思われます。しかし、この産地のサファイヤはオーストラリア産に非常に似ており、濃紺から暗緑色を帯びた暗いインキッシュブルーのものが多く品質的には余り良くありません。又、イエローサファイヤグリーンサファイヤ、イエローとブルーのバイカラーサファイヤスターサファイヤも産出します。

サファイヤは新彊ウイグル自治区でもカラーチェンジタイプのものが採れ、充分カットに値する品質の原石だということです。

しかし中国で採れるサファイヤはどのタイプのものも今のところ中国産として日本に入って来ているという話は聞きません。サファイヤと同じコランダムのルビーも雲南省等で産出するのです。が余りカット石には向かないためか有名ではありません。しかし、アフガニスタン産の様に白い結晶質石灰岩の母岩付結晶が採れますので鉱物標本としては面白いのではないでしょうか。

 その他に中国で採れる一般宝石で比較的有名なものにはペリドット(かんらん石 (Mg,Fe)2SiO4 硬度6.5〜7)やターコイズトルコ石 硬度5〜6)が有ります。ペリドットは吉林省等で採れミャンマー産やノルウェー産ほどの品質とまではいきませんが結構綺麗なものが有る様です。

中国産のトルコ石はネット(ライマナイト=褐鉄鉱のインクルージョン)と呼ばれている褐色から黒色の網目模様が殆どと言って良いほど入っています。トルコ石はイラン産の均一で美しいスカイブルーのものが最高だとされていますが、中国産の様にネットが程よく入ったものも珍重されます。ただ残念なことに天然のトルコ石は脆く、又変色しやすいという欠点が有りますので宝石として利用される原石の多くがアクリル樹脂の含浸処理が施されているのです。

イラン産は比較的丈夫で安定していますが、中国産は原石の段階で処理されている場合が多いと思われます。しかしトルコ石は最高品質のものでもそう高価な石ではありませんし12月の誕生石にもなっていますので昔から多くの国々で親しまれてきている宝石なのです。さらに中国では、雲南省等でトルマリンやジルコン、黒龍江省等でガーネット類を産出しますがどれもあまり宝石市場には出ていない様です。

 中国で採れるレアストーンは結構バラエティーに富んでいます。まず、カットされたものはダイヤモンドと間違えるのではないかと思うほどディスパージョン(光の分散)が美しいシェーライト(灰重石 CaWO4 硬度4.5〜5)が挙げられます。シェーライトはスリランカやオーストラリア産等が良く知られていますが、四川省の綿陽という所で採れる石は少しオレンジ味を帯びた非常に透明感の良いもので恐らくトップクラスだと思います。形の良い結晶が雲母を母岩にして出ますので鉱物標本としても魅力的です。かなり大きな結晶も採れるのですが、大きいものは透明感に欠け小さなカット石しか取れない為に意外に高価な宝石になってしまいます。

もう一つカット石がダイヤモンドに似ているものでダイアスポア(AlO(OH) 硬度6.5〜7)という石が新彊で採れます。ダイアスポアはディスパージョンは少ないのですが硬度が比較的高くテリが良いのでちょっと質の悪いダイヤモンドに雰囲気が似ているのです。この石はUSAやトルコ産が有名ですが透明感の良い原石が少なく、又強い劈開性の為非常にカットが困難でカット石は稀少です。

雲南省ではトルコ石より明るくて美しいスカイブルーをした稀少石が採れます。ヘミモルファイト(異極鉱 硬度4.5〜5)というあまり聞き慣れない石です。この石は通常無色の柱状結晶なのですが、微結晶が扇状に集合し空色等に発色して出る場合があります。以前からこのタイプのものをカボションカットして宝石にされていました。他には無いこの石独特の雰囲気を持った魅力的な宝石で、イタリアやUSA産しか手に入らなかった頃は結構高価だったのですが中国産が入るようになってかなり安価な石になりました。

その他中国で採れるレアストーンには、河南省でキアストライト(空晶石 黒色の炭素インクルージョンにより結晶の断面に十字架の模様が出るアンダリュサイト)、広東省でアズライト(藍銅鉱)、四川省等でキャシテライト(錫石)が有ります。中国は今後もまだまだ色々な宝石や鉱物が発見されそうです。


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