★水晶グループ(3)★

  水晶には様々な他の鉱物がインクルージョンとして入ることがあり

ます。そしてそのインクルージョンの違いで全く雰囲気の異なる結晶

になり、水晶のバリエーションがさらに広がるのです。

  なかでも多いのがルチル(金紅石 TiO2)インクルージョンのある水

晶で、ルチレーテッドクオーツと呼ばれています。水晶のインクルー

ジョンとしてのルチルは全てと言って良いほど針状結晶で、色は暗


赤色、黄褐色、灰色、稀に青みを帯びた灰色をしています。

ルチルが適度に入った水晶に光を当てると、まるで無数の金や銀

銅といった金属の針からのような非常に神秘的で美しい反射光が

出ます。
昔から「針入り水晶」と言う名で親しまれており、ルチルの

入り方が綺麗なものをカボションにカットしてリングやペンダントトッ

プ用に利用されています。ただ真偽のほどは判りませんが、最近主

産地のブラジルでは良質のものが採れなくなってきているとかで、

原石の価格がかなり値上がりしているようです。

  極めて微細で発達した針状結晶のルチルインクルージョンが入っ

た水晶をカボションにカットすると、アステリズム(スタークオーツ)や

シャトヤンシー(クオーツキャッツアイ)の効果が出ることがあります。

この効果は主にローズクオーツでよく見られ、スモーキークオーツや

ミルキークオーツでも出ることがあります。ただ、同じルチルインクル

ージョンに因るスタールビーやスターサファイアとは比較にならない

ほど効果が目立ちませんので、普通の光を当てたくらいでは判りに

くいかも知れません。スリランカで採れるシリマナイト(珪線石 Al
2

SiO
5)インクルージョンに因るスタークオーツやクオーツキャッツアイ

は、半透明灰色であまり美しいものではありませんが効果ははっき

りしています。いずれにしましてもスター効果の出る石としては破格

に安価なものですから結構人気があるのです。

  真っ黒で太めの針状結晶や柱状結晶インクルージョンが水晶に入

っていることがありますが、これはルチルではなく黒色のトルマリン

(鉄電気石 ショール)なので、トルマリネーテッドクオーツということ

になります。殆どが黒色なのですが稀に暗緑色のトルマリン(リシア

電気石 エルバイト)が入っている場合もあるようです。

この水晶もルチルの場合と同じ「針入り水晶」と称され、また利用方

法も同じです。貴金属の反射光の様に見えて煌びやかなルチルイン

クルージョンに対してトルマリンの場合は少し太めで黒く直線に結晶

していますので力強く、この二つの水晶はかなり雰囲気が違うのです。

  クローライト(緑泥石)等の苔状や草葉状の結晶がインクルージョン

として水晶に入ることがあります。この水晶の結晶面を研磨すると、

中にミニチュワの緑の山や森の風景や庭園があるように見えます。

それでこの様な石をガーデンクオーツと呼ばれることもあるようです。

  水晶のインクルージョンとしては稀なのですが、細かいパイライト

(黄鉄鉱 FeS
2)の結晶が多数分散して入っていることがあります。

周りを暗くしてこれに光を当てると、満天の夜空の星の輝きのように

見えて信じられないほど幻想的で美しい宇宙が広がるのです。

  その他にも水晶のインクルージョンには、緑色のエピドート(緑簾

石)、金属光沢のヘマタイト(赤鉄鉱)、鉛色の方鉛鉱、スカイブルー

のアホイト(アホー石)、紺碧のパパゴアイト(パパゴ石)、無色透明

の水や気体等があります。

 又、非常に稀ですが濃紺のアナテーズ(鋭錐石)の完全結晶やブル

ーアパタイト(燐灰石)の柱状結晶等が入っていることがあります。

 ただこれらのインクルージョンを持つ水晶は、カットしても宝飾用に

向くようなものは滅多にありません。手を加えないそのままの状態

で珍品中の珍品としてコレクターズアイテムとなるのです。

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