カナダの宝石★

 北アメリカ大陸北部に位置し面積が約997万6千Ku(日本の

約27倍)というロシアに次ぐ世界で2番目に広大な国土を持つ国

がカナダです。非常に雄大な自然と世界でも3本の指に入る豊富で

多様な鉱物資源に恵まれた国として有名です。その豊富な鉱物資源

により鉱工業が発展していて国際競争力も強いのです。しかしカナ

ダは鉱物資源が豊富だからといって宝石等の原石が大量に採れると

いうことではない様です。実際にカナダ産のサファイヤやルビー、

エメラルド等といった一般宝石は見たことも聞いたことも有りませ

ん。過去にダイヤモンドが少し採れたことがあるくらいです。この

ことは大陸南部の隣接する同じく資源大国のUSAが宝石の産出も

また豊富なのですから大きく事情が異なっているということになり

ます。

カナダは一般宝石には恵まれていないのですが、かなりユニーク

でしかも有名なものが採れます。それは今から20年くらい前にア

ルバータ州の草原で発見されアンモライトと名付けられた化石です。

ジュエリーに利用できる化石は他に樹脂が化石化したといわれてい

る琥珀と木や貝がオパール化した化石が有りますが、アンモライト

は見た目ではオパールに少し似ています。アンモライトは7億年か

ら2億年前に生息していたアンモナイトという貝が化石化し、その

表面にアラゴナイト(霰石 CaCO3 硬度3.5〜4)という鉱物

薄く(1〜3o)付着して閃光を発するようになったものです。

閃光は通常赤からオレンジ色、黄色、緑色が多く、稀に紫色から青

色を呈するものも有ります。勿論、紫色から青色のものは珍しい為

高価です。これは専門業者の話ですが、アンモライトは地表から比

較的浅いところで採れるものは表面のアラゴナイト層が脆く弱い為

に樹脂でコーティングしたり水晶の板を貼り合わせてダブレットに

加工したものを、又、地中の深いところで採れるものは強いのでそ

のままジュエリーに使うとのことです。処理しないでそのまま使え

るものは数が少なく、又、閃光が弱められることが無く美しいので

すから当然ダブレットより高価になるという訳です。オパールの斑

の様に閃光にも色々の模様が有り、強い遊色を示す品質の良いボル

ダーオパールに負けないくらい魅力的なものもあります。オパール

とはまた一味違った雰囲気の美しさを持った宝石で、嬉しい事にブ

ラックやボルダーオパールよりはるかに安価なのです。アンモライ

トはコーライトと呼ばれることも多いのですがこれは販売業者の商

業名です。

その他カナダで産出する一般的な宝石にはクンツァイト等のスポー

ジュメン、ガーネットグループのグリーン・グロッシュラースフ

ェーンロードナイトラブラドライト等が有ります。なかでもラ

ブラドライト(曹灰長石 硬度6)は主要な産地がカナダのラブラ

ドル半島で名称も地名に因んで付けられました。

レアストーンに関してはカナダでは結構多彩なものが採れます。

まず鉱物コレクターの方なら良くご存知なアイドクレース(別名ベ

スビアナイト 硬度6〜7)です。カナダ産は黄色から黄緑、緑色

が多く稀に紫色のものも有ります。カットすると非常に綺麗な宝石

になるのですが、透明感の良いものはかなり小さな結晶しかなく1

カラット以上のルースは滅多に有りません。紫色のものはさらに透

明感が悪くカットに値するものは殆ど無い様です。

価格は当然のことながら極端に小さいルース以外は高価になってし

まいます。又、鉱物コレクターの方が手に入れたがるものの一つで

ユージアライト(ユージアル石 硬度5〜5.5)という石がケベック

州で採れます。若干ブラウン味やパープル味を感じる渋い赤色をし

た他に無い魅力を持った石で非常に複雑な化学組成をしています。

ユージアライトは比較的大粒の結晶で出るのですが、色が暗過ぎた

りクラックが多すぎたりしてカットできるものは極端に稀少です。

さらにケベック州やオンタリオ州ではペリステライトという聞き慣

れない石が採れます。この石はサンストーンやラブラドライトの仲

間で長石の一種ですが同じ長石の一種ムーンストーンのシラーを激

しく青くした感じの宝石です。

その他カナダで採れるレアストーンにはアンダリュウサイトダイ

オプサイドスキャポライトセレスタイン等が有ります。


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