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★スポージュメン★

スポージュメン(ゆう輝石又はリシア輝石 LiAlSi26 硬度 6.5〜7)と言われてももう一つピンとこないのですが、この石のピンク色のものはクンツァイトという名称でよく宝石店で売られていますからご存じだと思います。

ごく薄いピンク色の石から一見アメジストと間違えるような紫味の強い濃いピンク色の石まで有り、透明感とテリが非常に良い宝石です。又、結構大きな結晶が産出しますのでルースも大粒のものが多く比較的安価な宝石の一つです。

            
         スポージュメン結晶        クンツァイト

クンツァイトは1902年にアメリカ・カリフォルニア州で発見され(スポージュメンとしては1877年にブラジルで発見)、石名は当時非常に高名で権威者だったアメリカの宝石学者G・F・クンツ博士がこの石を初めて発表したのに因んで名付けられました。

現在の宝石用原石の主な産地はブラジルやアフガニスタン等です。スポージュメンにはピンク系のクンツァイト以外に、黄緑色から緑色をしているヒデナイト、黄色のトリフェーンと呼ばれている石も有ります。

この二つは色が濃くて透明で大きな結晶が少ないため殆どルースとして流通しないので稀少石になります。勿論スポージュメンですから非常にテリの良い美しい宝石であることは言うまでもありません。

実はスポージュメンには薄い青紫色や青緑色をしたかなり美しい石が有るのですが、これらの石には名前が付けられていません。

これには理由があります。それはこの種の色をしたスポージュメンは、直射日光にさらしていると速いもので2〜3時間で色が落ちてしまい、ごく薄いピンク色の石になってしまうからです。 残念なことにこの色落ち現象は紫味の強いクンツァイトや一部のヒデナイトにもおこります。

但しこの二つの石の場合、時間は何ヶ月という単位で、又無理に直射日光にさえあてなければそんなに極端に色落ちする事は無いようです。

又、完全に無色になるのではなくある程度の段階で安定するようですし、色が薄くなった分輝きを増し前より良くなる場合もあるようです。黄色のトリフェーンだけは色落ちの心配がありません。

では何故このような色落ち現象が起こるのでしょう。

少し難しいのですが石の色の出方には二通り有ります。

一つはその石の主成分自体の色(自色)や微量に含まれている他の成分によって着色されている色(他色)のように成分に起因する場合です。

もう一つは石の結晶構造の欠陥により着色されている(着色中心)場合です。成分による着色は安定しているのですが、着色中心による場合は不安定で紫外線で色が無くなったり、逆にX線やγ線を照射すると無色のものが着色されたり薄い色が非常に濃くなったりするのです。

クンツァイトのピンク色はマンガン、ヒデナイトの緑色はエメラルド等と同じクロム成分による着色なのですが、着色中心により色が濃くなっている場合が多いのです。それで紫外線の多い太陽光線にあてておくと色が落ちてくるのです。

スポージュメンはテリや透明感の良い魅力的な宝石ですから、色落ちは自然現象と割り切って頂ければ良いわけです。


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