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★業界用語★

慣用語はいろんな業界でよく使われてているのですが宝石業界でも独特の業界用語が有ります。

例えばプロ同士が次のような話をしているとします……「このタチのメキならナリも良いしガイの10万はするでしょう」どのような内容の話か御解りになるでしょうか。
全く解らなくても何の問題もないのですが、話題の一つとして独特の用語を説明させて頂きます。

まず「タチ」ですが漢字で書きますと「質」になり読んで字のごとく品質を表しています。
その宝石の持っている透明度(インクルージョンの状態、不透明の方が良い石は光が通らないか)、色の濃淡や明度、彩度、さらにクラック(ひび割れ)や欠けの有無等を「タチ」が良いとか良くないという言い方をします。

次に「ナリ」ですがこれも漢字で書きますと「形」となりプロポーションを表しています。
その石のカットの状態(バランスやカット面の正確さ、仕上げの良し悪し)に大きさを含めて「ナリ」が良いとか悪いという言い方をします。

さらに宝石を評価する上で重要な要素である輝きを「テリ」と言います。時にはこれらの宝石の品質、プロポーション、輝きを全て含めて「タチ」とすることも有る様です。

そして「タチ」「ナリ」「テリ」全てが最良のものを「トッピン」と呼びます。
なぜ「トッピン」という言い方をするようになったのかよく解りませんが、特級品や特別良い品の前と後ろを採って「特品」になったか又は一番や最高という意味の「トップ」と「ピンからキリまで有る」の「ピン」が合わさって「トッピン」になったかのどちらかではないかと思います。

宝石の良し悪しに関する業界用語は他にもまだ有ります。

例えば、石をカットする際歩留まりを優先するあまりにパビリオンが浅くなり過ぎフェイスアップで見ると底が透けて見える石を「スケ石」又は「ヌケ石」と言います(石の色が濃すぎるので明るくする為あえてパビリオンを浅くカットすることも有りますがこの場合は「ヌケ石」ではありません)。

又、ルースのままではそれほど良い石ではないのに指輪等にセットすると見栄えが良くなる石を「バケ石」と言います。

さらに低品質で普通よりやたらに大きい石のことを「お化け」と呼んだりします。
逆に良質のミャンマー産のルビー、サファイヤやコロンビア産のエメラルドを「すじもの」と呼んだりすることも有ります。

よくプロは「この石には力が有る」とか「力が強い」という表現をすることが有ります。この「力=チカラ」は宝石だけでなく絵画等の芸術作品にも使われるのですが、これは石の持っているパワーのことなのですがヒーリング・ストーンの世界のパワーとは意味が違います。
宝石は単なる美しさだけなら天然石でなくても合成宝石等の人造石でも持っているのですが、天然石は人造石には無い言葉では言い表しにくい独特の魅力を持っておりその魅力を「力」と言います。
天然石には「力」の強い石と弱い石が有ることになりますが、これはかなり見る人の主観を伴いますので人により差が生じます。

次に宝石名ですが宝石は鉱物の違いだけでも多くの種類が有り、さらに色や産地の違いで別に名前が付くものも有ります。
しかもその名前の長いものも有りますのでプロの間では省略して呼ぶ場合が多いのです。
例えばアメジストは「アメ」、エメラルドは「エメ」、インペリアルトパーズは「インペ」、ペリドットは「ペリ」そしてメキシコオパールは「メキ」とだけ言えば解るのです。
その他にも「アレキ」「タンザ」「ツァボ」「キャッツ」等有るのですが大体何の石か御解り頂けると思います。宝石名以外でも省略して半貴石のことを「ハンキ」、1カラットを上回る石を「キャラ石」という言い方をします。

又、プロはダイヤモンドと真珠以外の全ての宝石を「色石」と呼んでいます。

最後に宝石の価格に関してですがプロの間では「ガイ」と言う単語を非常によく使います。
これには外国語の様な響きが有りますが実は日本語なのです。
意味は石の1カラット当たりの買い取り価格のことで、「キャラット当たりの買値」が「キャラ買(が)い」になりこれが「買(が)い」「ガイ」になったのです。
プロが宝石を買い付ける時は同じ種類でも一つずつ重さの違う石をロットで仕入れることが多いですから個々に違うピースの単価より1カラット当たりの価格「ガイ」を決めた方が便利だからです。

そこで例に挙げたプロ同士の話を翻訳してみますと……「この品質のメキシコオパールならプローポーションも良いし1カラット当たり10万円はするでしょう」となるのです。

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